アトピーにビタミンDは効くのか?

この記事を見ることでアトピーに対してビタミンDの有効性を知ることができます。

 

この記事の背景

アトピー性皮膚炎の原因を調べる時に、スキンケアと栄養補給は切ってもきれません。その双方に関連するものがないかと調べていると、ビタミンDの存在が露わになってきました。ビタミンDはカルシウム生成で有名ですが、実は免疫との関連もあることが研究されてきております。そんな研究結果や臨床の現状を照らし合わせたことを報告させていただこうと思い記事にさせていただきました。

 

ビタミンDについて

ビタミンDは脂溶性のビタミンです。主に、体では日光を浴びることで体に必要な形に変換されていると言われています。そんなビタミンDは、カルシウムの合成に必要なビタミンとされていました。ビタミンDの欠乏症としては、「くる病」が有名です。骨の形成不全が起こる病気です。しかし近年、ビタミンDは免疫と関連があるという報告も出てきました。そのことから、免疫異常の疾患との関連も報告されるようになりました。

 

免疫とビタミンDの研究

 

 

「ビタミンDは、主に皮膚に合成された脂溶性ビタミンです。紫外線B線(UVB)暴露があると、7-デヒドロコレステロールはビタミンD3(コレカルシフェロール)に変換されます。ビタミンDはまた、食品およびサプリメント[ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)またはD3]を介して得ることができる。皮膚はビタミンD2を合成することができません。」(1)

 

 

ビタミンDの役割

ビタミンは、不足すると症状を引き起こす栄養素ということから命名されています。その種類や効果効能によってA、B、Cと種類が分かれています。ビタミンDは脂溶性のビタミンです。その役割は以下の通りです。

 

  1. カルシウムバランス
  2. リンのバランス
  3. 細胞分化
  4. 免疫
  5. インスリンの分泌
  6. 血圧の調整

 

日光浴でビタミンDを活性化

 

カルシウムの形成によって骨を強くすることが一般的に広く知られております。しかし、それ以外にも、細胞の増殖やインスリン調節など体の恒常性としての機能をこのビタミンDは担っているのです。免疫調節もそのビタミンDは果たす昨日の1つです。

 

ビタミンDと免疫

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「ADの発症機序は表皮障壁の機能不全と免疫反応の調節不全の複雑な相互作用を伴い、両方の過程にビタミンDが関与するため、ビタミンDの状態がアトピー性皮膚炎のリスクまたは重症度と関連すると考えられることは合理的である。このような関連は、疫学的および実験的データによって示唆される」(3)

 

ビタミンDが不足していると起こる症状

 

一見、ビタミンDが不足するとすぐに自覚する症状は起きこらないように感じます。この症状を考えるときに、ビタミンDの役割を考えることで、本当に不足しているのかを見極めることができます。カルシウム生成だけでなく、下記の役割も担っています。

 

  1. リンのバランス
  2. 細胞分化
  3. 免疫
  4. インスリンの分泌
  5. 血圧の調整

 

ですので、伴って起こる体の不調に上記の変化があれば、日光浴不足やビタミンDの不足を考えます。

他にも、ビタミンDは、局所的な炎症反応を調整し皮膚の抗菌作用を刺激することで、この疾病の治療に有効な付加的手段になるかもしれないことが示唆される。さらに、アトピー性皮膚炎の特定のケースに見られる光療法の有効性にも、ビタミンDの作用が部分的に介在しているかもしれない(4)この世な報告もあり、アレルギー性疾患をはじめとする、炎症性疾患との関連も視野に入れて観察する必要があります。

 

 

アトピーでビタミンDどのくらい必要か?

ビタミンDには活性型と不活性型があります。血液検査では1.25OH Dと25 OH Dのバランスをみます。

指標は25OHD濃度>1.25OHD濃度となるのが理想的です。

 

症状に伴って、栄養バランスを観察することで、今何ができるかの手段の洗濯や優先順位をつける手立てとなります。

 

この記事のまとめ

ビタミンDは免疫機能との関連が報告されている。脂溶性のビタミンであるビタミンDは日光浴を浴びることで変換される栄養素です。近年は免疫との関連も報告されることから、炎症性疾患の改善の手立てとなると期待されている。

 

参考引用

(1)ラッセルM.キセロ皮膚の治療のためのビタミンD3と角質層の水和との関係を評価する。栄養素。2012; 4:1213-1218を参照のこと。[ PubMed ]

(2)https://lpi.oregonstate.edu/jp/mic/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3D

(3)アトピー性皮膚炎とビタミンD:事実と論争<ブラスデルマトール。2013年11月12日 88(6):945-953。>

(4) Mesquita Kde C, Igreja AC, Costa IM. Atopic dermatitis and vitamin D: facts and controversies. An Bras Dermatol. 2013;88(6):945-953. 

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