皮膚に有効なビオチンはアトピーにも有効

この記事を読むことで、ビオチンの効果効能を理解できて、必要に応じて栄養素の補給を選択できるようになります。

 

ビオチンはアトピーに良いのか

背景

皮膚炎の治療としても用いられるビオチン。しかし、アトピー性皮膚炎に対して、どのような機序で肌に有用な効果をもたらすのかをまとめるに至った。

 

ビオチンとは

ビタミンとは、生体内で合成できず、外部から摂取する栄養素である。また、少量で効果を発揮するが欠乏すると症状を引き起こすものである。

ビオチンはビタミンB群に属する水溶性ビタミンであり,生体内ではカルボキシラーゼの補酵素として働いている.

 

ビオチンの体内動態

ビオチンは,食品中で遊離型もしくは結合型としてリジンおよびタンパク質と結合して存在している(ビオシチンおよびビオチニルベプチド).

食品中でビオチンは.ビオシチン(ビオチニルリジン),ビオチニルペプチドあるいはタンパク質が結合した状態で存在している.これらは,腸管でビオチニダーゼにより分解され,遊離型となり,小腸粘膜から吸収される,腸管内で結合型ビオチンは,ビオチニダーゼにより加水分解され,ビオチンに遊雕されて吸収される.

 

サプリメントとしてのビオチン

一方,サプリメントではビオチンは遊離型であるため,容易に吸収される.生体内においてビオチンは,遊離型あるいはタンパク質やペプチドと共有結合した結合型で存在している了)9),遊離型ビオチンは,ホロカルボキシラーゼ合成酵素によって組み込まれカルボキシラーゼの補酵素として機能している

 

ビオチンの働き

ビオチンは5種類の細胞内カルボキシラーゼの補酵素として以下の働きに関与している

 

  • 糖新生
  • 脂肪酸合成
  • アミノ酸異化

 

ビオチン欠乏の症状

  • 皮膚炎
  • 脱毛
  • 神経障害

必須アミノ酸の取り込み機構が障害される

抗酸化能が低下

 

ビオチンのもたらす皮膚への効果

ビオチンが欠乏することで、「血漿中ビオチンが一般に低値を示し,ビオチンの大量投与で著効を示すものが多い」(2)などの尋常性皮膚炎などの報告もある。

中には,ビオチニダーゼ活性が低い者が存在することが指摘されている.このような場合に5mgdayのビオチンを投与すると湿疹が消失することが観察されている(3)

 

ビオチンに関する研究

ビオチンの経皮吸収に関する研究

ビオチンOP塗布前のアトピー一性皮膚炎患者の血清中のビオチン量は健常者と比較し,有意に低値であった(pO.【)5),20人中9人の患者は健常者と同程度の血清ビオチン量であったが,残りの11人は低いレベルにあった.ビオチンOPの連日塗布により,血清中ビオチン量は健常者でlt人中10人が上昇(4L5±100to502±92nm11p002)し,アトピー一件皮膚炎患者で20人中18人がErfi2774to507±216nmol〃,1)くOOl)した.特にビオチン量の低いアトピー性皮膚炎患者群において顕著なヒ界があった。一方,末梢血好酸球はビオチンOPで有意に低下し,特に,低ビオチン患者群で顕著であった.また,これらの低ビオチン患者群では血清ビオチン量の増加量と末梢血好酸球数の低下率の間に有意な負の相関があった.

 

結論として、ビオチンは健常者およびアトピー性皮膚炎患者において経皮的に吸収される

 

ビオチン過剰摂取による研究

 

健常人が食事から摂取するビオチン量の600倍以上を経口および静脈投与しても,副作用は報告されていない

ビオチンを過剰に与えた雌ラットにおいて生殖能力に影響がない.

妊娠ラットにおいて,ビオチン過剰摂取による胎盤や胎児の成長抑制を報告.

Sawamuraらは,過剰ビオチン摂取によって,肝臓中に蓄積したビオチンがタンパク質の機能に影響を及ぼし,毒性が顕在化する可能性を報告している.

 

この記事のまとめ

さて、いかがでしたでしょうか。

 

ビオチンはビタミンB様物質と呼ばれ、ビタミンBの様な振る舞いをします。皮膚の代謝や保因子としての働きがあります。アトピーでもみられる皮膚の症状とも密接に関連しております。たんぱく質など皮膚の材料となる栄養素を摂ってもなかなか傷や皮膚の状態が良くならない時には、ビオチンの不足も疑いましょう。歯車の1つが欠けているだけで、体の健康は崩れてしまいます。この記事が肌を健康で綺麗にするお役に立てれば幸いです。

 

参考引用文献

 

ビオチンの生体内挙動 (1987 年 61 巻 2 号 p. 72-73)(2)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/61/2/61_KJ00001708170/_pdf/-char/ja

 

皮膚疾患とビオチン欠乏との関連について (1984 年 58 巻 7 号 p. 289-)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/58/7/58_KJ00001707503/_pdf/-char/ja

 

脂漏性皮膚病とビオチン(958 年 14 巻 p. 74-)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/14/0/14_KJ00002899079/_pdf/-char/ja

 

栄養機能食品と美肌(3)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/77/9/77_KJ00000933225/_pdf/-char/ja

 

12. アトピー性皮膚炎患者におけるビオチンの経皮吸収(1998 年 72 巻 10 号 p. 579-580)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/72/10/72_KJ00001703187/_pdf/-char/ja

 

ラットにおけるビオチン欠乏の味覚へ及ぼす影響(2015 年 89 巻 4 号 p. 237-)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/89/4/89_KJ00009870990/_article/-char/ja/

 

ラットにおけるビオチンの腸管吸収についての基礎的検討(2010 年 84 巻 4 号 p. 168-)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/84/4/84_KJ00006398971/_pdf/-char/ja

 

幼若マウスにおけるビオチン過剰摂取による体内ビオチン動態および代謝マーカーへの影響

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/82/11/82_KJ00005083614/_pdf/-char/ja

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