低湿度からくる乾燥した肌の潤いは食事で取り戻そう

 

低湿度は肌乾燥の一因

乾燥の要因の一つに「低湿度」があると言われています。現在、日本の冬の平均湿度は30~50%程度です。

実は、東京だけの統計で考えると、この100年ほどで湿度が半分になっており、最少湿度が1桁台になることも。これはサハラ砂漠並みと言われています。
これは、地球温暖化の影響や、都市部ではビル街やアスファルト増加、緑地の減少など様々な影響が考えられています。

 

では、日本人の肌にとって最適な湿度はいくつなのか?それは60~65%と、冬の湿度では全く足りていないのが現状です。

 

最近では乾燥だけでなく、かゆみやひび割れを生じる「皮脂欠乏性湿疹」という疾患にもなり、睡眠が妨げられるような激しいかゆみに悩まされる人もいるようです。

皮脂欠乏症湿疹とは、皮膚のバリア機能が低下して角質が剥がれる疾患なので、こうなってしまうと医師による治療が必要になります。

 

 

さて、ではこうならないためにはどうしたらよいのでしょう?

 

肌のうるおいを保つ三つの要素

肌の潤いは、皮膚の一番表面の角質層で守られていますが、これは約0.02mmの厚み。
角質層は、角質細胞が10~20層ほど重なっています。角質層の主成分は、ケラチンという水に溶けにくいたんぱく質で出来ています。

 

肌の水分量を保護し潤いを保つためには、「角質細胞間脂質(80%以上)」「天然保湿因子(NMF)(16-17%)」「皮脂(約2%)」の三つになります。

 

肌の乾燥が気になったときは、これら三つの要素のどれかがバランスを崩している可能性があります。
では、それぞれどんな働きがあるのか見ていきたいと思います。

 

 

【角質細胞間脂質】
主成分は水になじむ性質を持つ脂質の1種であるセラミドになります。その他、コレステロール、コレステロールエステルなどの物質から構成されています。

 

角質細胞同士をくっつけることで、肌の潤いを守るセメントのような働きを行っています。
しかし、加齢にともなって減少していくことや、アトピー性皮膚炎の患者は、このセラミドの量が通常の量に比べて1/3ほどしかないことなどが報告されています。

 

【天然保湿因子(NMF)】
肌に備わっている保湿成分の一つ。

 

アミノ酸や乳酸、尿素などから構成されていることで、水分を包み込み肌の潤いを守る働きがあります。
天然保湿因子も加齢により減少していきます。その他に若い方でもストレスや紫外線、睡眠不足などの生活習慣の影響も受ける成分です。

 

【皮脂】

肌内部の水分蒸発を防ぐ働きをします。

 

男性は30代、女性は20代に分泌のピークを迎え、ニキビのもとになることもあります。
しかし、加齢とともに減少していきますが、減少には個人差があります。
また、若くても血行不良などにより基礎代謝が低下している場合、急激に皮脂分泌量の減少は進むこともあります。

 

肌の潤いと食事の関係

潤いを保った美肌を保つためには、食生活もとても大切な要素の一つです。

 

先ほど紹介した3要素のバランスを保ち、肌の潤いを向上させるためには、3要素の原料となる栄養素が不可欠です。
その栄養素とは、たんぱく質、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルをバランスよく食事で摂ることが必要です。

特に必須脂肪酸は人の体内では合成できない脂肪酸なのでチェックが必要です。

 

注目すべきは、天然保湿因子。この要素は特に、食事から取り入れるたんぱく質(アミノ酸)が体内で合成できないため、栄養素に左右されます。

そして、現在日本人のたんぱく質摂取量は減少傾向にあると言われています。

美容の観点だけでなく、健康のためにも、肉・魚・卵・大豆といったたんぱく質は「1食あたり片手手のひら一盛り(体重1kgあたり0.8~1.0g)」を摂取しましょう。

 

角質細胞間脂質の主成分である、セラミドは、必須脂肪酸を材料に作り出されますが、こちらも体内で合成できません
良質な脂質は肌の潤いのもとです。特に不足しがちなのは魚類やクルミ、えごま油などと言われています。
食事を作る際に、意識的に取り入れましょう。

 

また、それ以外にもハリのある肌を保ち、正常な肌のターンオーバーを促進するためには、ビタミンAやビタミンB群、ビタミンC、亜鉛が必要です。

特に、肌から粉をふくほどの乾燥している場合、亜鉛の不足が疑われます。これらをまとめてチャージしてくれる食材は牡蠣です。

冬の時期美味しい牡蠣鍋や牡蠣フライなどで摂取していきましょう!

 

最近、肌の乾燥がひどいと感じている方、甘いものやうどんや白米、食パンなどの精白された炭水化物を多く食べていませんか?

お酒やスイーツなど美味しいものは、実はそれが皮膚のバリア機能を弱めた要因になりえます。

精白した炭水化物やスイーツは避け、雑穀米やそば、ライ麦パンなどの茶色い主食に変えることをおすすめします。

 

さらに、健康面からも肌トラブルの原因があると考えられています。
例えば、高血糖の状態が長く続くと、血液の流れは悪くなるので、血行不良になり、肌への栄養と酸素の供給が弱まってしまいます。そのため、角質の水分量が低下することが分かっています。

 

美肌だけでなく、健康のためにも栄養面を考えてみましょう!

 

食事で体内からかゆみ対策!

肌のかゆみは、皮膚の内部で起こっている“炎症”も関係しているといわれ、実は、炎症は老化とも密接に関係していると言われています。

 

 

炎症反応の抑制にも食生活が重要です。
なかでも、日本特有の漬物や納豆、みそや甘酒といった乳酸菌を含む発酵食品を食べて腸内細菌の状態を整えることは、免疫細胞を増やすことが分かっています。
これは、炎症を抑える力もあるので、ぜひ健康だけでなく美肌にも必要な細胞です。

 

加えて、よくCMなどで耳にする「善玉菌」といわれる腸内細菌が作り出す「酪酸」という物質はがあります。
酪酸は食物繊維が多い食事から作られるのため、食物繊維が多い食べ物が腸に良いと言われる由来です。

 

そのため、腸内環境のために有益な菌を含むヨーグルトなどを食べている人は多いと思いますが、さらにプラスαで食物繊維を加えるとさらに良いかと思われます。

その中でも、日本が誇る納豆は乳酸菌が多いだけでなく、食物繊維も豊富に含む一押し食材です。

朝食の一品にいかがでしょうか?

 

さらに、酪酸を作り出す酪酸合成菌の活性化には、バナナや豆類、米が含む栄養素がとても重要です。

もしも、ヨーグルトをいま食べているならばバナナヨーグルトにして甘みはオリゴ糖を使うと、腸内細菌にとっての“ごちそう”といえます。

 

逆に、甘みだからと言って体内の炎症反応を促進する食べ物もあります。
それは、揚げ物やジャンクフード、スナック菓子をはじめとした高脂肪食なので、これらを控えめにすることも大切です。

 

 

 

いかがだったでしょうか?
一概に食事と言っても、様々な栄養素が絡みバランスよく食べることで、肌の質も大きく変わってきます。
一番いいのは和食から始めると取り込みやすいかと思われます。
ぜひチャレンジしてみてください。

 

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